純情彼氏
「はっ?」
ぽかんとした顔であたしを見る橘の顔は凄く間抜け面だった。
「当たり前じゃん。今時こんな脅ししたら警察に訴えられるし」
パッと手を離し、ゆっくりと口を彼の耳元に近づけた。
「……っ…」
「それとも……期待した?」
「……~~~~っ!?」
ビクリと肩を震わして、顔を真っ赤に染めた橘を見ていると満足した。
「…橘ってM?」
「……そういうお前はえすかよっ」
ちゃんとその顔を見ると、うっすら涙が浮かんでる。