純情彼氏

あたしの一言で会話は終わってまた杏と街をフラフラした


「で、見つかったの?」

終始無言の杏にあたしがため息をついた

春休みに街をフラフラしていたのは
ゆき君の誕生日プレゼントを買いにきたからであたしはそれの付き添いだ


「見つからない。何がいいかなぁ」

キュッと握った手のひらは春になって暖かくなったと言えど風で赤くなっていた


「…別にゆき君なら何でも喜ぶと思うけど。中学からの付き合いでしょ?」

< 236 / 302 >

この作品をシェア

pagetop