純情彼氏

『きっといい人いるよ』

そうかな?
あたしにとってのいい人いるのかな?


「………そのいい人がいつになったら」

いつあたしの前に現れてくれるんだろう


いつかっていつ?

あのカップルが揉めていた言葉が頭で繰り返される

「……本当」


マフラーに顔を埋める
バスの外は暗く、通り過ぎていく


< 240 / 302 >

この作品をシェア

pagetop