純情彼氏

「あれ………いない」

面倒くさくなって帰っちゃったかな?
それでも一声かけてくれたらいいのに

ひどいなぁ

コーヒーカップに口を付けた瞬間
大股で歩くような足音が店内に響き渡った
その音はあたしのテーブル近くで止まった

「……?」

足だけが視界に映り、不思議に思って顔をあげた

「……勝手にどこ行ってんの」

「…はぁ?」

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