純情彼氏

「えっ!?えっ!?…あっ……あー…うーー…」

衣擦れの音が消えたと思えば1人百面相を披露してくれる

その顔に変わらないのは真っ赤という事実だけだ

「………七海が狡い」

俺が狡いなら七海はもっと狡い…とぼやいた圭の右手は右耳に当てられたまま

「………?」

「ほらー…もーっ。
本人無自覚だしっ。えっとー…昔から言うでしょ?」

「何が?」

「悪魔との取引は甘い蜜だっいだっ!?七海痛いっ!!」

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