純情彼氏
「……もーっお前等まじヤだっ」
やっと抜け出したのにみんなに苛められてあたしの後ろに回り込んだ圭
「何読んでるの?」
「……ないしょー」
手紙を仕舞って圭に向き直る
まだ目に浮かんだ涙が圭を引き立たせて綺麗に見える
「……ラブレターじゃないよね?」
「どうかなー?ないしょったら内緒」
チラチラとあたしが仕舞った手紙がある方を見る姿がいじらしい
「あたしが好きなのは圭だけだから。
心配しないで?」
まだ騒いでいるみんなを見ながらあたしは圭の隣に座った
圭もつられてあたしの隣に腰を下ろした
あたしは圭の腕辺りに頭を傾けて暫く穏やかな時間を過ごした