純情彼氏
story1
泣き虫わんこ
学校の休み時間は騒がしい。
生徒達の声が校内に響いている。
でも、そんな五月蝿い環境にも静かな場所がある。
「………ふぅ」
読んでいた本を閉じて、あたしは壁に掛けられた古びた時計を見た。
時計の長針は40分を指している。
「…そろそろ戻らなきゃ」
それはもうすぐ昼休みが終わる時だった。
誰も来ない外館の図書室で本を読んでいたあたしはため息をついた。
「今から戻ると思うと…しんどいな」
いっそのこと午後の授業をサボろうかと机に突っ伏していると廊下が騒がしくなった。