純情彼氏
「…何で渡辺さんが言うの?」
「…………っ…」
やっぱり聞いてきたか。
清水さんは侮れない。
嘘とばれないように堂々としなくちゃ。
「あたし、体育委員ですから。先生とよく話すんです」
ありきたりな差し障りの無い返答を返してみると、橘に見えない位置で顔を歪ませ憎々しげにあたしを見てくる清水さん。
「………っ……」
般若が後ろに見えるやぁ……
こわーい……
思わず息を呑んでしまうほどの恐ろしさだった。