純情彼氏


そっと前髪をかき分けておでこに柔らかいものが押し当てられた。

「………えっ!?」

「…俺はこういう意味で言ったんだけど」


少しずつ離れていく橘にあたしは状況を知った。


「…で、も…」

「別にすぐじゃなくてもいい。……ただ、分かって欲しい」

「…………っ…」

離れた橘を視線で追いかければ凄く真剣な目をしていた。
茶化してる訳じゃない。
すぐにそう分かった。

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