純情彼氏
「………?」
「……だぁっ!」
「…きゃあっ!?」
急に開けられたドアにびっくりして椅子から落ちてしまった。
激しいドアの開閉音と椅子が地面に擦れる音とが静かな図書室を満たした。
「……あぁ、ごめん。人が居るとは思わなく……て…」
「………何だ。あんたか」
言葉の詰まった相手を仰ぎ見れば、学校一の人気者で
「泣き虫の橘くん」
「っ!?誰が泣き虫だっ!」
「号泣してたじゃん」
「……っ…!!」