純情彼氏
「分かってる。分かってるよ……」
ギュッと身体を抱きしめて震えを止めてみる。
「……でもあたしが悪いんでしょう?」
あなたに弱さを見せない意地っ張りな彼女は入らないんでしょう?
大粒の涙が頬を伝って、埃の積もった床に染みを作っていく。
「……あたし、まだ怖いんです。だって、男はみんな可愛くて優しくて、自分に弱さを見せてくれる彼女がいいんですよね。」
もう一年も前の事なのに、あたしはまだ男が怖い。
いや、自分に対して近しい人が怖くなった。
「………ねぇ、あたし駄目な子ですか?」