純情彼氏

自分の鈍くささに顔が赤くなって俯いていたら委員長が起こしてくれた。


「ほれ。外で転けんなよ」

「う、うん」

バタバタと教室を出て、曲がり角に差し掛かった時杏があたしの腕を小突いた。


「な…なによ」

「杉山にお礼言っときなよ」

「あっ………」

そこでお礼を言ってないのに気がついて、廊下の曲がり角から顔を出した。


「杉山ーっ!!ありがとっ」

「ん」

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