純情彼氏


暗い路地を抜けてすぐ、あたしの家が見えた。

「…今日はありがと」

「礼ならさっきも聞いたけど?」

「…ん、でも」

こうやって送ってくれたことや勉強を見てくれたことは凄く嬉しかった。


「……おい」

家の門扉が軋む音がして振り向いたら杉山が身を乗り出していた。


「な、なに?」
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