純情彼氏
捨てられた子犬のようにしょげている橘を見ると、居たたまれなくなってくる。
「あんたが女をどう思おうが、まぁ勝手だとはあたしは思うよ」
「………?」
良く分からないそんな眼差しを送られて居心地が悪くなっていく。
自分がいけないと分かっているからか余計に視線が痛い。
「えっっと、そのぉ……よーするにぃ…」
だんだんと語尾は小さくなり、顔が火照るのが良く分かった。
ちゃんと謝った事なんていつぶりだろう?
「ごめんなさいって言いたいんだけど…」
ゴニョゴニョと小さい声であたしは謝った。