私とアイツはバカップルではありません!!
本当は。
別れなんて早々に告げれば良かった。
皆が恐れる程の悪い人でもないと付き合い始めて分かっていた。
ただ勘違いだと言えば良かっただけのこと。
だけどいつからだろうか。
もう少し、近くで観察していたいと思ったのは。居心地が良いと思ってしまったのは。
私がこんな乙女的な思考を抱くなんてなぁ…
いつの間にか、笹原晶は私の中に入り込んでいたらしい。
深く深く。
けれど確実に。
一歩ずつ。
困らされてばかりだと思っていたのは彼の存在が大きかったせい。
あぁ、今思えば。
手繋ぎもキスも抱擁も全部、嫌じゃなかった。
「嫌いじゃ、なかったよ…守…」