私とアイツはバカップルではありません!!
「全然、わかんなーい!」
「!?」
私は一瞬心を見透かされたのかと思ったが、どうやら違ったみたいだ。
守の手元には数学の課題プリントが置いてあったからだ。
「ねーねー、ここどうやって解くの?」
よく見ると大問Aの基礎問題であった。
…まぁ、コレぐらいなら。
あーでもないこーでもないと説明し、守がA問題を仕上げたのは二時間経ってからだった。
「うわ…!
もうこんな時間!!」
どうやら時間を忘れてたみたいだ。
「ご飯の時間だ!!」
そう言ってパタパタ走り出す守。
父親が仕事で一緒に出来ないということはあるらしいが、基本守の家はご飯の時間がきっかり19時と決まっていて、家族全員揃って食べるらしい。前に言ってた。
「紗奈―――!
準備出来たから下りてきて――!
あ、大樹もついでに呼んできて―――!」
私が現在居る守の部屋は2階にある。その隣が大樹君の部屋。
私は思う。
私が呼ばずとも聞こえているのではないかと。
…ま。
大樹君とお喋りしたいから呼ぶけどね。