私とアイツはバカップルではありません!!


「だけど、帰って来ても自分に何も聞いてこない父親の様子を見て…悲しかったんじゃないか?」


「…………」




私は――悲しかった。




悲しかった。




悲しかった。




悲し、かったんだ…




「……そうか…
このモヤモヤは…悲しさからくるものだったのか…」




お母さんを放って仕事をしているお父さんに

ずっと連絡もないお父さんに

無口なお父さんに




全部、気まずいとか言い訳つけてたけど本当は悲しかったからなんだ。




「ハハ…家抜け出した理由がこんなだなんて……情けないな…」




私は額に手を当て、うなだれた。
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