私とアイツはバカップルではありません!!
【もしも紗奈さんが素直になったら】
「……笹原晶、好きだよ」
お別れ騒動から一週間。
未だにきちんと言えてなかった私は言えそうな今日、漸く奴の目を見て言う事が出来た。
「な…………」
しかし、目の前の奴は私がそう言うと固まってしまった。
現在学校からの帰り道のことである。
人通りが多いこの道は、逆に言葉を伝えるのに持ってこいだ。
何故なら人の話し声や足音で溢れているから。
皆、一々他人の会話なんて気にしない。
告白するなら人気の無い場所だと言うけれど、知らない人が大勢いる場所の方が私は良いと思う。
いくら人気が無いとは言え、誰に聞かれているかと思うと気が気じゃない。それに…静かだったら自分の声が響いて、余計に自分の言葉が耳に入ってしまうじゃないか。