私とアイツはバカップルではありません!!


「………晶さん、そろそろ固まって立ち止まらずに歩いて欲しいのですが」




手を繋いだまま立ち止まられても。
通行人の邪魔だし、周りから不自然に思われる。是非とも避けたい状況だ。




「おーい…聞こえてますかー?」




私は奴の目の前で手をパタパタ振ってみる。


すると奴は目を見開いてすぐにバッと目をそらし、口元に手を当てていた。
ちゃっかり私と手を繋いでる方とは反対の手で。




「笹原晶、大丈夫?」




今の彼は完璧不審者だ。
今日の私はいつもと何か違う。おかしい。


もしかしたら、笹原晶と別れて自分の中の何かが変わったのかもしれない。


普段の私なら絶対口にしないはずなのに―――…気づけばこんな事を口走っていた。
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