私とアイツはバカップルではありません!!
「…笹原晶、迷惑だった?」
今の彼の顔を見たら、一目瞭然だった。
いつも真っ直ぐに私を捉える視線はそらしているし、眉間にはこれでもかという程シワが寄っている。
見れば分かることなのに…何で聞いちゃうかな、自分。
言ってて悲しくなってきたって此処で使うのだろう。……え?違う?
まぁ、いいや。
「…………紗奈」
初めて、名前を呼ばれた気がする。
「あー…やっぱり我慢出来ねー
お前が悪いんだからな」
人がせっかく嫌がると思って我慢してるのに…とかブツブツ呟きながら、私はいきなり抱きしめられ、キス、された。
私は思った。
人前で告白なんてするもんじゃないって。
-終-