私とアイツはバカップルではありません!!
「俺、用事思い出したんだった。またね」
俺はスッと椅子から立ち上がった。
面倒事はゴメンだからね。
いくら黒髪で制服になっても怖いものは怖いんだ。
それに笹原君が鈴木さんと話す時は近づかない…近づけないという暗黙のルールがある。
いくら外見だけでも彼が怒ると収拾つかないからね。皆、それぐらいの知恵はある。
「待って!委員長!」
彼女は座ったまま、ガシッと俺の腰を掴んだ。
まるで置いてかないでとでも言う様に。
うわー…ますます彼が鬼みたいになってるよ…
むしろ大魔神?
怖いんですけど。怖いんですけど。
鈴木さん、気づいてる?
ね、気づいてる?
彼氏見て。見てあげて。
「鈴木さん……」
俺が呼びかけるとフルフルと首を横に振る彼女。
いや、俺の生命の危機なんだけど。フルフルしたいの俺なんですけど。
「おい、お前…」
ヤバい。これはマズい。
俺は息を大きく吸って叫んだ。