私とアイツはバカップルではありません!!
「皆―――!笹原君、鈴木さんと話終わったってさ!」
俺がそう言うと何が楽しいのか女子の皆さんが黄色い声援を上げながら駆け寄って来る。
うん、女の子って怖い。
「ふー…委員長、ありがとうね」
笑顔で俺を見上げてお礼を言う彼女を見て思ったことがある。
あぁ、こういう顔に笹原君は恋したのかなって。
当の彼は女の子パラダイスで見えないけれど。
「鈴木さん、良いのかい?
あんなに囲まれてたら不安じゃない?」
俺が状況作っといてなんだけど。
前にも聞いた質問を俺はもう一度した。
やっぱり不思議なのだ。
普通ならやきもちの一つや二つあってもおかしくない。それぐらいの状況だ。
想像しながらと現実を見ながらとでは違うだろう。だから俺は今、また同じ質問を意地悪くもしたのだ。