私とアイツはバカップルではありません!!
「良いよ。
皆がそれだけ笹原晶の優しさに気づいてくれたってことだから」
また同じ返事だった。
「文化祭も私との付き合いも風貌も…周りの意見を気にして……自分を押し止めてたアイツが皆と仲良くなれるなら良いよ」
前から鈴木さんの言葉に引っかかっていた。
そして今やっとそれが分かった。
「鈴木さんも鈍感なんだねー」
「はい?」
「やっぱり公認バカップルだよ、君達は」
「はい!?」
彼は周りを気にする人じゃない。
何故ならそれは今回然り、いつの日か然り、彼が告白する時やキスする時、周りを気にしたことはなかった。
なら、何を気にしたのか。
それは全部鈴木さんだ。
彼と付き合うことで鈴木さんが周りから疎まれる。
風貌を変えれば鈴木さんが振り向いてくれる。
文化祭も、鈴木さんと主役をすることでまた変な噂をされる。
……笹原君、重症だね。
将来楽しみだ。
「俺もそんな相手見つからないかなー」
そうして呟いた俺は今日も賑やかなこの学校をぶらつくのだった。
-終-