私とアイツはバカップルではありません!!


「すみません!
今日は帰ります!
もう合わせる顔がございません永遠にサヨウナラ!」




こんな言葉を挨拶で言った人は居るだろうか?
いや、居ないだろう。


しかし、私はそれどころではなかった。




「…待てよ。
せっかく来たんだから」


「アンタのせいだろーが!!
初対面でキスって!!キスって!!有り得ない!
笹原晶本当に有り得ない!」


「良いじゃねーか。
お前、今日恭とばっか話して俺放置だったんだぞ!?」


「それ絶対関係ない!バカ!」


「大ありだ阿呆!
こっちは…「とりあえず、晶と紗奈ちゃん家入ったら?」




うわーん。
もうお母様の顔が見れない。見られない。


私は両手に手を当てたまま言った。




「……本当、ごめんなさい。今日は帰ります」




空気が無理だ。
本当にコレは無理。


穴があったら入りたいというよりむしろ埋まりたい。
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