私だけのヒツジ(執事)
「ミコト様って?」

「兄さんの雇い主。
って云うか・・・兄さんにとっては『神様』みたいな存在。
弥生ちゃんにとっては、最強のライバルかも・・・」


ライバル?


「史也さんは、その人が好きなの?」

「好きって言葉じゃ足りないんじゃないかな?
一生懸けて護り抜くつもりだよ」


一生を懸けて・・・そんなに大切な人なんだ。


「護り抜く・・・って。
その人と結婚しちゃうの?」

「違う、弥生ちゃん、そういう意味じゃないの!
ミコト様は男性だし、しかももうすぐ結婚なさる身よ。
ただ・・・兄さんはミコト様中心に世界が回ってるから、それ以外はどうでもいいって感じで。すっごく分かりやすいの。
ミコト様の幸せとか安全とか、それが一番で。自分の結婚とか一切考えてないみたい。ミコト様の幸せな姿を見て幸せに浸ると云うか・・・」

私って・・・
最初っから相手にもされないの!?

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