私だけのヒツジ(執事)
「大体がドラマじゃあるまいし、お前はテレビの見過ぎなんだよ!
ヒツジのお前如きに護ってもらおうなんて、こっちはコレっぽ――っちも考えちゃいないからな!
人並みな恋愛も出来ないようなヒツジに、俺の気持ちなんて分かりゃしねーんだよ!
悔しかったら彼女の一人や二人や三人ぐらい作ってみやがれってんだっ!!」


「ヒ ツ ジ !?」

いや、引っ掛かる場所はソコじゃないと思うが・・・。


「分かりましたよっ!
ミコト様のおっしゃる通り、彼女の一人や二人や三人、四人、ええい、百人でも作って見せようじゃないですかっ!
『小山内ミコトの第一秘書は女っタラシ』って陰口叩かれても、全部ミコト様の責任ですからねっ!!
ちゃんと責任とって下さいよっ!?」

(なんか大幅にズレてる・・・と心の中で想う由奈であったが、そこはグッと堪えて言葉にはしなかった)


「百人と付き合えなんて言わない。
取り敢えず、弥生ちゃんだけを見てやれ・・・」


最後はそう言い切ったミコトの姿に、改めてデレデレする由奈。

説得力のカケラも見えない・・・。

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