お姫様は王子様を演じてる
「悠斗…朝から一体何ですか…?」
小柄なくせに意外に力がある悠斗にがっしりと腕を掴まれて、逃げることは不可能だと悟った私は観念して用件を聞いた。
「忘れたの?
今日は日曜日っ。
合コンだよ、真琴は私服がださいから僕がプロデュースしてあげるの」
「ええーっ、こんな朝早くから準備するんですか?」
「当たり前でしょ。
ださい奴と仲間だと思われたくないもん」
テヘッと可愛く笑ってるけど言っていることは、最高に失礼だ。
悠斗は自分の部屋に私を押し入れると、すぐにクローゼットの中を漁りだす。
そんな悠斗の行動を頭がまだボーッとする私はただ見つめていた。