お姫様は王子様を演じてる



けどその不条理な条件をのまざる得なかった。



霧ヶ峰に行かないのならば負けは確定らしいし。



父さんの横暴な提案はすべて私の為だと言い張る、それに……



「一年でバレるくらいならお前の演技力なんてたいしたことはない」



その言葉は私を奮い立たせるには充分だったから。



「わかりました、やります。
父さんは今日から息子ができたと思ってくれて構わないですよ」



私の強気の発言に父さんは不敵に笑った。



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