お姫様は王子様を演じてる



「おいっ、上野!!
喋ってばかりいるが、お前課題のプリントは終わったのか?」



顔を悠斗のいるほうから逆の位置に向けると、すぐ目の前には兵藤一樹がいた。



偉そうにぬんっと立ちながら眼鏡をくいっと指で直す。



「終わりましたよ…」



それなりに難しい課題だったけど、じっくり考えれば解けないことはなかった。


さすがにケイほどスラスラは出来ないけど悠斗を観察しながらくらいなら楽にやれる。



「よし、では見せてみろ」


私の意見など聞かずに、サッと課題のプリントを取り上げると上から下までじっくり目を通す。



「……見かけに寄らずなかなか優秀なようだな。
仕方ない、お前の生徒会入りを認めよう!」



えっ?
私入りたいなんて言ってませんよ。



……むしろ嫌ですけど。


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