お姫様は王子様を演じてる



「そうか…貴様は風紀委員か…」



えっ!?
貴様って…
何その敵認識なかんじ。



「うん!!
真琴は風紀委員だから一樹のライバルだね」



悠斗は楽しそうにくすくすと笑っている。



「いや…その…風紀委員…をやるとは…」



私が言いかけた時に寝ていたはずのケイが会話に入ってきた。



「まじ!
やったー、風紀委員に真琴が入るなら俺もう雑用しなくていいじゃん。」



ケイは雑用を任せたいが為に風紀委員に私を入れたかったんだ…



……この腐れ金髪めっ!!



「そうか、そうか。
まぁ、いいだろう。
貴様が風紀委員を選ぶなら仕方あるまい…
せいぜい頑張るがいい」



私の話しなどお構いなしに兵藤一樹はそう言って去って行った。



生徒会はやりたくなかったけど、風紀委員も同じくらいやりたくなかった…



静かで平穏な普通の高校生活を願っただけなのに。



どうやらそんなものは存在しなかったらしい。



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