お姫様は王子様を演じてる
歓迎されているのか?からかわれているのか?それすら私にはわからない。
ケイと悠斗は終始笑顔だけど、何だか裏がありそうで背筋が寒くなるし…
澪にいたっては夢の国に旅立っていてこの部屋に入ってから目すら合わせてくれていない。
「さて、さて、本日の議論すべき内容はですねー。
ボクシング部の風紀が大分乱れているということについて話しあいましょー」
悠斗の棒読みの議題がなかなかまともそうなので、少し安心した。
思ったより活動内容は普通なのかも。
「一体どう乱れてるんですか?」
私の質問に悠斗はにっこりと小悪魔スマイルを浮かべる。
「ますば、衣服や頭髪の乱れ…それに校内暴力ですね」
……校内暴力はダメだけどそれ以外は完全にケイは当てはまりまくりじゃないですか…。
「許せねーな、とりあえずやっちまうか…」
今ので校内暴力も当てはまっちゃったよね。
もう何も言うことはないよなんか疲れちゃったよ…
「……ということでこれからボクシング部との交流戦になります、異論があるかたは手を挙げてください」
交流戦?何ソレ?
なんで交流するの?
異議を唱えようと、おもいっきり手をあげたのに…
「はい、異論はないようなのでボクシング部の部室に行きましょー」
悠斗の目には私は映らないらしく完全にシカトされてしまった。