お姫様は王子様を演じてる
「ちょっと…今余計に重くなったんだけど」
「えっ!?
何でですかね?」
しらばっくれる私を見て悠斗はため息をつくと。
「……肩から腕をどけてもいいんだよ…?」
怖いことを平気で言った。
階段を上がってるところなのに、今そんなことされたらゴロゴロと転がっていく自分が容易に想像できる。
悔しがりながらも、必要以上の力で寄り掛かっていたのを止めた。
「ったく…感謝が足りないよ」
悪態をつきながらも、何とか部屋の中まで悠斗は私を運んでくれた。
「……ありがとう」
ベッドに腰をかけてお礼を口にすると、悠斗は可愛い顔をくしゃりとさせて。
「お礼は高くつくからね」
またもや怖いことを言った。