星がたり。


聴いてないみたいだったのに…。
彼は他にも小声で文句を言いながら車を動かし始めた。

私は嬉しくてどうしていいか解らない。

「ありがとう。」

「おう。歳食って爺さん婆さんになっても言われたらメンドクサイからな。」

「……。」

「……なんだよ。」

思わずじっと見つめた彼の横顔。
運転しながら一瞬、目だけこちらに向ける。

「爺さん婆さんになっても私横にいていいの?」

「はぁ?!」

特大の呆れ声。
いつもはとっても傷付くんだけど…。

「だって他にお前の面倒見れる奴いないだろ。まったく…。」

「……ありがとう。」

「おう。」

呆れ声なのに…
仕方なさそうなのに…
私はやっぱり嬉しくて。
間違っていないのだと思う。


私はたぶんきっと、愛されている。
時々…そう思う。


                        fin.



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