いつも一緒に
「ただいま」


「おかえり涼。 どう?友達出来た?」


俺は首を縦に振って家の中に入っていった。


今はそれどころじゃなくて、朝のメロンパンのせいで喉が乾いた・・・


早く水が欲しいんだ・・・


「やるじゃない。 いい学校生活になるといいわね」


なるさ、きっと。


早速いい友人も出来たんだし、つまらない事にはならないはずだろう。


それに・・・


あの漆黒の瞳が忘れられない・・・


信じられなかった。 入学式初日から一目惚れなんて・・・


「お昼出来てるから食べなさいー」


なんだかモヤモヤした気持を抱えながらコップにお茶をくんで一気飲みしてから俺は姉貴の作った昼飯を食べた。


「うん、美味しい」


「そう?よかった♪」


姉貴は料理が好きで高校の時は家庭科料理部に所属していた。


そのおかげか、料理の腕はかなり高いので、弟の俺としては嬉しい。


何故って?姉貴は食べたい物を聞いてきて俺が言ったらほとんど作ってくれるからだ。


どの料理も味が良いので自慢の姉貴だ。


「今日母さんは?」


「仕事で帰れないってさ、涼に謝っといて、って言われたわよ」


うちの家族は忙しい。


父親は単身赴任で家には不在で、母親は喫茶店で働いているようだ。


だから今日の入学式は姉貴についてきてもらったんだ。


母親も料理好きで厨房は任せられているらしい。


我が家の女性は料理上手なんだ。
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