大阪プレイボーイ超甘々な君と2人っきり!?
それは…
『愛梨』や。
桜を…もう2度と目を
開けることが出来ない桜を、
一目見て愛梨は声をあげた。
いや、あげようとした。
あまりのショックに…
愛梨は喋られへんくなってん。
周りはその場でパニックに
なったけど、俺は茫然と
立ち尽くしてた…。
正直、愛梨まで死ぬんかと
思った。
俺の愛した人が、
俺が自分以上に大切に
しようと思った人が、
2人共消えるんかと。
嘘やろ??俺は悪魔か?
死神か??
ほんまに死ぬべきなんは
俺なんちゃうんか?
やけど、愛梨は声が出んく
なっただけやった。
…一瞬、良かった…と思った。
でも、声が出えへんなんて
この先やってかれへん。
………俺は知らんかったけど、
桜と愛梨は毎日メールを
してて俺のおらん所で
会っていたらしい。
俺は勝手に、愛梨は俺らの
事が嫌いになってんやと
思ってた。
俺はアホやな。俺らの絆が
んな簡単に壊れる訳が
なかったのにな。
なんつーか、桜はさ。
良い言い方で一途で、悪く
言うとかなり嫉妬深い。
俺が女子に名前を呼ばれた
だけで「桜の瞬くんなのに…」
って怒ってたぐらいだ。
やから、愛梨と仲良く
喋る俺を見て我慢出来んく
なって、「もう近寄らんとって」
とかなんとか言ってんやろ。
俺は愛梨と桜以外は
仲良く喋る女子なんておらん
かったしな。
なんて桜らしい…。
…愛梨は人が良いから
それで俺らが幸せになるんなら
いいと条件をのんでんやろ。
…けど、やっぱり3人で
いたかったんだと思う。
たまに、こっちを羨ましそうに
見ていた。
でも、俺は最低で
見て見ぬフリをしていた。
病弱な桜はほっとけなかったし
2人のケンカなんて
見たくなかった。
でも、やっぱり俺は
間違っていた…。と、
泣き崩れて声の出ない愛梨を
見て俺は思った。
桜が亡くなったのも、
愛梨の声が出なくなったのも、
全部俺が悪い、俺のせいや。
…俺はとにかく愛梨の声を
どうにかしたいと思った。