大阪プレイボーイ超甘々な君と2人っきり!?
*愛梨said
うちは全部聞いた。
うちと瞬が両思いやったこと
真宮 桜という子のこと
その子とうちがめちゃ仲良くて
その子も瞬が好きやったこと
その子が小6で亡くなったこと
それでうちが声出えへんくなったこと
それで、催眠術をかけてもらったこと
うちは…全部思い出した。
催眠術。で頭の中のもやが
一気に取れたように思い出した。
……の瞬間、目から涙が溢れた。
「さ、桜…うっうわぁぁ…」
瞬の前でみっともなく泣いた。
でも抑えきれへんかった
うちの記憶はあの頃のままとまってる
から…。
嘘やん、桜。
ごめんな、こんな長いこと忘れて
のうのうと生きとって…。
ほんまごめん。
それに…
「瞬も…。自分が大変な時やのに
うちのことばっかやってもらって…
それやのにうちは…。
瞬の気持ちも想いも、
全部忘れて…アホやん…。
っく…グズっ……
ほんまに、…ごめんなさい。」
*瞬said
今、俺の前で愛梨が泣いてる。
ほらみろ。
結局は…愛梨泣かせるだけやんか。
愛梨の「ごめん」なんかいらん。
どっちも悲しいだけや…。
俺、勢いで愛梨に言うてもうたけど
やっぱ、今まで通り過ごしとった方が
良かったんちゃうか?
また、誤ちを繰り返すんか俺は。
「で…もっ…瞬。」
「……ん?」
「ありがとう。」
「えっ??」
あ り が と う ⁇
「助けてくれてありがとう。
それからも、うちの為に我慢してくれて
ありがとう。
高校でも普通に接してくれてありがとう。
この…話を、
教えてくれて…ありがとう。
そんで、最期の日。
桜の側に最期までいてくれて
ありがとう。」
そう涙でグチャグチャなまま
笑顔で言った愛梨は太陽のように
輝いて見えた。
こんなに、誰かに「ありがとう。」
を言われたんは初めてや。
この心のこもった言葉だけで、
目頭が熱くなった。
あぁ、やっぱり愛梨はズルいわ…。