大阪プレイボーイ超甘々な君と2人っきり!?
ま、正確に言うと
人の名前を覚えへんのやなくて
覚えるのが嫌やねん。
理由?あるよ。
『人の名前が消える』ことを
華奈は知ってるから。
華奈にとって昔めちゃくちゃ
大事やった人は
存在感がありすぎる人やった。
人を惹きつけるなにかを
持っててん。
そんな人のかなり近い所にいた
華奈は、
その人を失った時
名前の重みを知ってん。
その名前が、言葉が
重なるたび苦しかった。
つらかった。
存在感を、あの笑顔を
思い出すから。
みんなが抱える痛みとか
言われたらそこまでやけどさ。
とにかく、スゴい人やったから…
人の目を惹く天才とでも
言うんかな?
生きるのが楽しい!って
いうのが目に見えるんや…
その人を嫌いな人なんて
ありえへん。
そう、ああいう人がモデルを
するんやと華奈は小さいながら
に思ってたよ。
やから、華奈はどんなに
人気モデルになっても
納得出来ひん。
あの人がいれば、華奈は
この場におらんはずやもん。
…あ、話ズレたな。
やからさ、
マネージャーは
マネージャーさん。
カメラさんは
カメラさん。
メイクさんは
メイクさんやし、
監督は監督さんや。
勿論、ドラマとかなったら
名前は覚えるよ?
ただそれはあくまでドラマやし。
華奈は、あの人の時みたいな
ことになりたくないから
名前を覚えへんねん。
その言葉を聞くと、
やっぱりかぶるし…
人間、何時何があるか
分からんから。
華奈はさ、
名前が消えることが
怖いんよ。
ガチャ
あ、マネージャーさん
戻ってきた。
そろそろメイク入るかな?