多重人格
「あー……疲れたー」
丘に着いて、夕日に照らされたこの街を見ながらユニが言った。
俺はそこにゴロンと寝っころがる。
そして、瞼を閉じる。
風が俺の髪を揺らす。
「こんなとこで寝たら風邪ひくよ、ナヴィ」
上から声が降ってくる。
「俺はお前ほど体弱くねぇから風邪ひかねぇの」
「まぁ、ナヴィが馬鹿だし、風邪ひいたらこんなに暑いのに明日雪降っちゃうね」
「はぁ!!?」
そう言って2人で馬鹿して笑いあう。
それが俺の日常だった。