多重人格






「君は消えるんじゃない」


ユニはもう俺の名を呼んではくれないのか?


「―――の一部として生き続けるんだ」


悲しそうに笑うその笑顔に、また涙が零れる。


「君の、」


「君の主人格」


主人格。


俺は―――の一部。


その事実だけはどうにも変わらない。


そして、俺が消えないと、―――は目が覚めない。






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