ころもがえ
コートのボタン等が小分けに
袋に入ってしまってあった。

クリーニングに出すためだろうか。
その中に学ランのボタンもあった。
こういうマメな所はさすがだ。

「あれ?一つ足りないぞ?」

ボタンをつけていくと、
一つボタン穴がどうしても余る。

「え?・・・いや
 もともと一番上のボタンなかったよ」

「そうだったっけか?」

確かにいつもはずしてはいたけど。
どの道つけてなかったからまぁいいか。
とりあえず学ランを羽織ってみる。

「出来の悪いコスプレだっ!」

そう言い放って妻はまた笑い転げた。
まったく、自分は不貞くされておいた癖に。

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