しあわせうさぎのおはなし


 でも、その心配はすぐに終わりました。次の日学校から帰ってきたくーちゃんは、ぼくを抱きしめたかと思うとすぐに布団の中に潜ってしまいました。ぼくは驚きました。くーちゃんは泣いていたのです。くーちゃんは泣きながら、好きだった男の子に振られてしまったことをぼくに教えてくれました。くーちゃんの涙が浸み込むたびに、ぼくも泣きたい気持ちでいっぱいになりました。ぬいぐるみのぼくには、「恋」というものはよく分かりませんが、くーちゃんがその男の子のことをぽつりぽつりと言葉にするたびに、なんだか苦しいような気分になるのでした。
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