アンデロス星人
 ちょうど自転車に乗った小学生がゆっくりと、クップの前を通りすぎようとしていた。

「あの……帰る場所がわからなく……」

 クップは小学生にいきなり話しかけた。

「はっ?」

 と、佐伯達也は自転車を止めた。

「円盤の着陸した場所がどこだかわからなくて……そうだ!」

 理解ができない達也はきょとんとしていると、クップはポケットから菓子を出した。

「何これ?」

「キャンディだよ」

「いらない」

「おいしいよ」

「それで僕を誘拐するつもり?」
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