アンデロス星人
「クソっ! 邪魔が入りやがった」

 と、男は言って、走り出した。

「待て!」

 クップは男を追いかけた。が、疲れもあってつまずいた。

「いてー、待てぇ~」

 クップが前のめりに倒れている間に男は走り去ってしまった。

「あの、どうもありがとうございます」

 と、少女の佐伯美加は言った。

「いや、たまたま通りがかっただけ……道に迷ったから……じゃなくて、危ないから家まで送るよ」

 美加が少しうつむきながら、自転車を押し、クップは横についていた。

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