LOVEナビ~恋愛queen学園奮闘記(不定期更新です)
第3章:運命への挑戦


 『…ツー。…ツー。』


 電話からただ…虚しい音が聞こえてきた。


 宗大は…携帯を持ったまままだ車内のシートに座っていた…。

 私の忘れ物を見つめて彼は残されたアルバムに再び手を伸ばし…1ページとまた1ページと…懐かしい写真がめくられていく…。


 懐かしさと共に愛しさもこみ上げてきた。


 ある写真の一枚で手がとまりその写真を手でなぞる…。


 何かに気付いたのか…助手席にアルバムと携帯を置き宗大は…車のエンジンをかけて朝日が臨む車道を走り出した。


 『ツー。ツー。ツー。』


 助手席に置かれた携帯から空しい雑音が聞こえてくる携帯の置かれたアルバムには…病室でとられたあの日…。
 4人が木漏れ日の光に包まれていた。
 その写真に写る…4人は…病室のベッドで笑う女性…とお父様…。
 そして…私と高森千宗の姿が撮影されていた。


 写真の示すその年代は…。


 ―1998年の11月のあの日―。
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