LOVEナビ~恋愛queen学園奮闘記(不定期更新です)


 「まあ…とりあえず中へ…。」


 背後から本蔵社長の声がして…私は脱力した身体を引きずり部屋の中に入ると…声をあげた。


 「私には…無理です!
 すみません…!
 出来そうにありません!」


 本蔵社長の背中に向かって泣き言を叫ぶ私にシカトして…本蔵社長は…部屋の電気をつけた。


 部屋の中が明るくなり奥に進むと…31歳の私でも揃えられないだろう…高価な家具が部屋に整理されているのに気付く。


 「…今度は、橿原さん…。
 あなたが要望を聞く番だ…。」


 私の手に家のキーを握らせて本蔵社長は話を続けた。


 「さっき会ったあの子がもう1人の息子…千宗だ。
 以前見かけた時より様子が違ってはいるみたいだが…宗大との事もありあの通り誰とも接触しようとは自分からしない…。
 君に…あの子と接触してもらい…。
あの子の心の隙間を埋めて欲しい…。」

 本蔵社長は…いとも簡単にいった言葉に私は首を横にふった。


 「出来ません!
だって握手するだけでも…第2関節にチョンとタッチしちゃうくらいなんですよ…。
 心なんか開いてくれそうにありませんよ…!
 逆に…こんな謀されてるなんてしったらもっと酷い事になりそうですよ。」


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