LOVEナビ~恋愛queen学園奮闘記(不定期更新です)
“優しいとこ‥あるじゃん‥。”
その様子に私は差し出した手を引っ込めて流れにまかせた。
彼は…うろたえつつも必死で私の後頭部に氷を押し付ける…。
次第に…私も彼の胸に身を寄せられた。
彼の鼓動の脈打つ音が聞こえる。
「大丈夫ですか?」
心配そうに見下ろす彼の眼鏡がキラリと光り私は慌てて答えた。
「いきなり‥開けるんだもん‥!」
「すみません‥。
鍵を取りにいってたんで‥その‥。あの‥。」
なんだか顔を赤らめて彼は後頭部の氷を見つめた。
「あっ‥。さっきのキスは‥その不慮の事故だから!?」
彼が口ごもったのになんとなく言いたかった言葉を察知して慌てて弁解した。
「すみません‥。
なんだか驚いちゃって‥!」
恐らく彼にとっては‥初めてのキスなのかもと察知して私はなんだか罪悪感に胸をえぐられた。
「あっ‥!
そういえば片付け手伝ってくれるのよね‥!」
「あっ‥。ええっ‥。」
気まずい雰囲気を感じ私は彼を見上げて尋ねた。
「ええ‥。まあ‥。」
か細い声で呟き頷く彼は‥私の視線を逸らし再び後頭部をみた。