LOVEナビ~恋愛queen学園奮闘記(不定期更新です)


 扉を開けた宗大のお母様の第一声が玄関から飛び交う。


 「あなた!
 私の宗大を返してちょうだい!

 あなたが…殺したのよ!

 あなたがあの子の変わりに死ねばよかったのよ…!


 そうでしょう!


 あなたは…ほんとは…宗大なのよね…!

 死んだのは…あの忌々しい女の子供の千尋なのよね!


 そうだと言いなさい!」


 他人の玄関先なのにかな切り声で宗大のお母様は…高森君を掴み揺さぶりながら罵声を飛ばす声が聞こえてくる。


 「…すみません…。
 僕なんかが生き残ってしまって…ごめんなさい。

 でも…宗大さんではなく…俺は千尋なんです。
 だから宗大さんには…なれません。
ごめんなさい…。」

 バシッ…。
 バシッ…。



 彼なりの思いの丈を込めて宗大のお母様に自分が宗大兄さんでないことを主張した上でハッキリ断りを入れた上で謝罪した声と…宗大のお母様がそれに対して腕を腕を叩いたり罵ったり嗚咽をもらしたりする声が響いてきた。

 そんな状況を目の当たりにした私は…なんだか今すぐにでも飛び出して参戦したくなる衝動に何度も駆られる程胸が痛んだ。


 
< 210 / 251 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop