LOVEナビ~恋愛queen学園奮闘記(不定期更新です)
ヒュウウウ~。
私と本蔵さん、千夏と播磨君の間に何とも言えない冷たい空気が吹き抜けていき…代わりに沈黙が訪れる。
「あっ…!
よ…よかったですね…。
お友達さん気づいてくれて…あっ…!じゃあ…俺…この辺りで…。」
最初に沈黙を破ったのは…本蔵さん。
彼は、千夏と播磨君に気づきいそいそとその場を退陣態勢に入った。
「あれ…。
もしかして…御曹司じゃないですか?」
相変わらず軽めの態度で飄々にいい放った言葉に私達は思わず目を見張り…言われた本人は…ギクッと体を震わせて足をとめた。
ヒュウウウ~。
ヒュウウウ~。
今度は…私と千夏と播磨君、本蔵さんの間にまたも肌寒い風が吹き抜けていく音が更に沈黙へと誘う。
「お…御曹司って?」
沈黙を次…破ったのは…もちろん私で播磨君に詰め寄って確かめる。
「えっ…!?知らないの?
うちの会社の御曹司・本蔵 宗大〈モトクラムネヒロ〉坊ちゃまだよ!
何度か…ロンドン支社で案内した事があったから間違いとないと思う…!」
言いかけた所で空気を察した千夏が、播磨君の足を思いっきり踏みつけ播磨君は言葉を詰まらせ痛みに身悶えた。
本蔵さんは…渋々身を翻し深々とお辞儀した。
…これが…。
かれこれ5年前の彼との一連の経緯だ…。
この日を境に…彼との親密度は高まり交際が始まる。
一方…播磨君は千夏を連れてイギリスへと帰り…千夏は出産前に会社をやめて第一子を出産。
その後…結婚式を開いたバー店でお手伝いしていたら…お店を任されその後は…夫婦で朝はCafe、夜はバー店を営み忙しい毎日を送っているみたいだ。
…順風満帆に時は過ぎ私達はそれぞれの場所で…やがて啓示のあった5年後を迎える事となる。