甘いケーキは恋の罠

そう思っていても時は流れるもので､私達はいつものﾊﾞｽ停に着いてしまった｡


ここからだと後5分もかからないうちに家に着いてしまう｡


｢すみませんが､ここからは家まで案内していただけませんか？｣


違う道を故意に教えてこの時間を引き延ばそうとも思ったけれど､匠さんに迷惑がかかってしまうためその考えは頭の隅に追いやる｡


｢次の角を左です｡｣


それから匠さんに道を案内し､やはり5分もしないうちに家に着く｡


｢あのっ…ここです｡ありがとうございました！｣


私がそう言うと一瞬のうちに手をとられた｡


驚いて固まっていると手に何かを乗せられる｡