一月の花*君の体温



 すぐに訪れた週末に、さすがの僕もドキドキしないわけではなかった。
なんといっても、ずっと好きだった相手とのはじめてのデートなわけで。
 ドキドキしながらカレンの家のチャイムを押す。
待ち合わせの時間より少し早くきてしまったけど、すぐに中からドアが開いた。
 出てきたのは、カレンの弟だった。

「ケンちゃん…」

「あれ、ユウ?」

ユウの様子はどこかおかしかった。
泣いていたのか、僕の顔を見て困った様に口を閉じている。

「何か…あったの?」

さっきまで浮かれていた気分なんてどこかに吹っ飛んでしまった。
カレンが出てこないのは何でだ…?

「姉ちゃんが…」

ユウはやっと震える唇を動かして言った。

「姉ちゃんが倒れた…」

ユウの口から零れ落ちた言葉は、僕を打ちのめすのには十分だった。

 何で?
もう病気は治ったんじゃなかったのか…?

そんな言葉が頭の中をまわっていく。
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